多様化社会におけるアイデンティティ。大坂なおみ選手のインタヴューを聞いて。

大坂なおみ帰国記者会見 世界の国々
大坂なおみ/Naomi Osaka, SEPTEMBER 13, 2018 - Tennis : US Open women's singles winner, Japanese tennis player Naomi Osaka, attends a press conference in Yokohama, Japan. (Photo by Sho Tamura/AFLO SPORT)

1.ツイッターで流れてきた記事

ツイッター眺めてたら、
テニス全米オープンで優勝した大坂なおみ選手の
アイデンティティについての記事が流れてきた。

大坂なおみ選手のアイデンティティ~「ハイチ系の家庭で育ちました」 - wezzy|ウェジー
テニス全米オープンで優勝した大坂なおみ選手の記者会見が9月13日に横浜市内でおこなわれた。その際にハフィントンポストの…

この記事、分かるわぁ~。

2.我輩は台湾と日本のクオーター

まず、我輩は、国際法上、間違いなく日本人なのだが、
我輩の母方の祖父は、
台湾の原住民であった。
台湾が日本統治下の時代に、
祖母に出会い、結婚した。
祖母は、祖母のお祖父さん(我輩の曽曽祖父)が
建てた屋敷に住んでたそうだ。
曽曽祖父は東京の出身。
それゆえ、我輩は、台湾と日本のクオーターということになる。
我輩が、
「お前の国籍はどこだ?」
と聞かれたら
「我輩は、日本人だ。」
と答える。
しかし、もし、
「お前は、何人だ?」
と聞かれたら、
「我輩は、アジア人だ。」
と答えることにしている。
自分のアイデンティティとして、
台湾の血が流れていることを意識せざるを得ない。

3.旅で出会った人たち

次に、旅に出て、出会った人たち。
我輩、今、セルビア語を勉強中で、
実際にセルビアにも出かけたのだが、
その旅の中で、
何人かのアジア人に出会った。
アジア人を見つけると、
我輩はとりあえず、挨拶して、英語で
「日本人ですか?」
と聞くことにしている。
だいたいは、
「いいえ、違います。」
と言う返事が返ってくるのだが、
そうなると、次に、
「何人ですか?」
と言う話になる。

これが、なかなか難しい。
おそらく、人種のるつぼと言われるアメリカなどでは、
ごく普通のことなのだろうけれど、
国籍は「USA(アメリカ)」でも、アイルランド系の祖父と
ユダヤ系の祖母とか言う話になる。

私が、セルビアからブルガリアへ向かう国際バスの中で
出会った二組の人たちを紹介しよう。

(1)ベトナム人と日本人

まず、一組目。
若い男女のカップル。
セルビアのニーシュのバス乗り場で
彼女の方に、我輩が話しかけた。
「日本の方ですか?」
すると彼女は、連れの彼氏を探し始めた。
彼氏が戻ってきて、
「私は、日本人です。」
と日本語で言った。
少し、変な日本語だったけれど、
でも、それは、長旅の日本人にはよくあること。
我輩も半世紀以上前、バックパッカーとして、
アジアをウロウロしてた頃、
たまに会う日本人に、
「日本語が変ですね」
とよく言われた。
自分でも、自分の日本語がちょっと変なのが分かった(笑)。

さて、彼氏の方は日本人だとして
それでは、彼女の方は何人のか?
「I’m a Vietnamese.」(私は、ベトナム人です)

(我輩の心の声)
[voice icon=”https://itsok123.com/serbia/wp-content/uploads/90f01a20ac1958f9e1396cb234c87d66-e1531233259992.jpg” name=”我輩の心の声” type=”r”]
へぇ~!
日本人とベトナム人のカップルって、
すげぇな!
そもそも、ベトナムの人って、
そう簡単に海外に来れるのかな?
でも、そういや、最近、日本でもベトナムの人、
多いよな。
[/voice]

でも、少し仲良くなって、
いろいろ聞いてみると、
このカップル、
生まれも、育ちもオーストラリア(!)で、
2人はオーストラリアの大学で知り合って、
一緒に旅をしていたのだ。

ベトナム人の彼女は、
たしか両親だったと思うけど、
ベトナムからオーストラリアに来たらしい。
それで、彼女のアイデンティティはベトナム人なのだ。

日本人の彼は、
お祖父さんが九州の出身で、
それで、彼のアイデンティティは日本人なのだ。
「僕の日本人、あんまり上手じゃない」
と言うけれど、いえいえ、全然普通に日本語で会話できます。

(2)香港人

もう一組は、
若い男性の一人旅。
セルビアとブルガリアの国境で、
いつものごとく、話しかけた。

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こんにちは。日本の方ですか?
[/voice]

[voice icon=”https://itsok123.com/serbia/wp-content/uploads/1124760.png” name=”” type=”l”]
こんにちは。いいえ、違います。
[/voice]

[voice icon=”https://itsok123.com/serbia/wp-content/uploads/90f01a20ac1958f9e1396cb234c87d66-e1531233259992.jpg” name=”我輩” type=”r”]
中国の方?
[/voice]

[voice icon=”https://itsok123.com/serbia/wp-content/uploads/1124760.png” name=”” type=”l”]
私は、香港人です。
[/voice]

[voice icon=”https://itsok123.com/serbia/wp-content/uploads/90f01a20ac1958f9e1396cb234c87d66-e1531233259992.jpg” name=”我輩” type=”r”]
おぉ~! 香港!♪
[/voice]

では、彼の国籍は?
実は、彼は4つ(!)のパスポートを持ってました。
4つですよ!
まず、香港のパスポート。
次に、中華人民共和国のパスポート。
そして、イギリスのパスポート。
最後に、カナダのパスポート。

スゴイ!

ちなみに、彼は、生まれも、育ちもカナダです。
両親だったか、お祖父さんお祖母さんだったか、
香港がイギリスから中国に返還される前に
家族でカナダに移住されたそうです。
民間の宇宙衛星会社に勤めてるそうです(これも、スゴイ!)

彼は、ハッキリと、
[voice icon=”https://itsok123.com/serbia/wp-content/uploads/1124760.png” name=”” type=”l”]
私は、香港人です。
[/voice]
と言いました。
彼のアイデンティティーは、香港人なのです。

4.アイデンティティ

我輩の出会った旅人たちの話を聞いていても、
アイデンティティーと国籍は、一致するものではない。
我輩も、自分のアイデンティティはアジア人だと
真剣に思ってる。
大坂なおみ選手も、アイデンティティについて問われ、
「私は私」
と答えつつ、別の記者会見で、
「ハイチ系家庭で育ち、日本文化も、アメリカ文化も、
持っている」
と言っている。

自分が何者なのか問われた時、
国籍は一つの要素に過ぎない。

今後、世界はますます多様化していくだろう。
国籍だけではない。
例えば、性別だって、
「私は、男性でもあり、女性でもある。」
「私は、男性でも、女性でもない。」
と考える人々が、公に出てくるだろう。

日本とて、例外ではない。
我輩の住む街でも、
南米系の人たち、ネパールから人たち、ベトナムから来た人たち、
に出会う機会が多くなった。

自分が何者なのか?、自分のアイデンティティーは何か?
と問う機会は、今の日本人にはまだそんなに多くないかも知れない。
しかし、これからの日本の若者たちが、日本人同士で結婚するとは限らない。
国籍が違う者同士、アイデンティティーが異なる者同士が結婚したり、
一緒に暮らしたりする事例は、間違いなく増えていく。
同性同士のカップルがいたって、別にイイじゃない。
自分がそんなに考える事はなくとも、
せめて、他人のアイデンティティについて、
多様性を寛容に認めるような社会を作っていきたい。

それでは、また。

この記事が、あなたの何かのお役に立てれば、光栄です。

記事中のイラストは、イラストACさんから、お借りしました。

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