母 生き方

母が亡くなって3年ほどになる。
母は厳しい人だった。
母は、良い意味でも、悪い意味でも、
女性だった。
母は、自分らしくありたいと
もがいていたのだと思う。

母は昭和12年、1937年に台湾で生まれた。
母の幼少期はそのまま日本が第2次世界大戦に突入する時期と重なる。
母の家は、台湾で建築業を営んでいたと聞く。
羽振りは良かったらしい。
しかし、日本の敗戦と共に
台湾から下関に引き揚げてきた。
ちなみに、母の父、つまり私の母方の祖父は、
台湾の原住民である。
祖父の父、私の曾祖父の名はジヤナオ、
祖父の母、私の曾祖母の名はプリガン、
と戸籍に記されている。
母は台湾人と日本人のハーフ、
私は台湾人と日本人のクオーターという事になる。

母は厳しい人だったと書いた。
まだ私が幼稚園にも行かない年頃だったと思う。
何か悪さをしたのだろう、
両手の指全てに洗濯ばさみを一つずつ挟まれたことを覚えている。
とても痛くて泣いているのだが、
小さな指全てが洗濯ばさみで挟まれているため、
自分で外す事が出来ない。
おまけに、縁側に放り出されて、部屋の中に入れてもらえなかった。

母は怒ると、1mの竹の物差しで、
私や、私の二つ下の弟を、ぶった。
私の二つ下の弟をその物差しでぶっている時に
その物差しが折れたのを覚えている。
母は鬼の形相をしていた。

母は日曜日には機嫌が良かった。
父が家に居たからだ。
父が家に居る時と、居ない時とで、
母の機嫌は全然違った。
母は、良い意味でも、悪い意味でも
女性だったとは、そういう意味である。

母は、若い頃、勉強ができた。
今のお茶の水女子大学の理学部数学科を受けたが失敗し、
二期校の奈良教育大学の数学科に入学した。
大学の演劇部で、農家の次男坊であった父と知り合い、
卒業と同時に父と結婚し、
自らも大阪市で中学校の数学教師となった。
4年ほど勤めたころ、私が生まれた。
私が生まれた当初、私は病弱だった。
父も、医者も、母に仕事を辞めるように言った。
父によれば、その時母は泣いたと言う。
母は、家に籠(こも)るより、社会に出て活躍したかったのだろうと思う。
母は悔しかっただろうと思う。
母は、もしかしたら、社会を恨んだかもしれない。

そんな母に私たち兄弟は反発した。
今から思えば、
母の気持ちを推し量る度量が私にも欲しかった。

母は私を嫌いだったと思う。
しかし、それを表情に出すことは無かった。
私のここが嫌い、と言うのではなく、
ともかく反発する私に
「お前が居なければ私はもっと違った生き方が出来た」
と言うような気持だったと思う。
私だけではなく、私の弟たちも同じように感じていたように思う。

成人してから、私はほとんど実家に帰らないようになった。
私とすぐ下の弟が成人した後、母は県立高校の数学教師として
教壇に戻った。
父によれば、活き活きとしていたらしい。
ただ、当時思春期を迎えていた一番下の私の弟との関係は
良くなかった。
私と末弟は11歳離(はな)れている。
その末弟を救ったのが、母の母だった。
祖父が亡くなり、子供たちも独立していった後の祖母は
日本舞踊の師匠として下関で一人で生活していたが、
気弱になったのかも知れない、
奈良の私の両親の家に住むようになっていた。
その祖母が末弟の世話を何くれとみてくれた。

戦争が終わった直後の混乱期を
逞(たくま)しく生き抜いてきた祖父と祖母。
そして母。
3人とも、もう天国にいる。
私も、今になって、55歳になって、
ようやく母の、そして、祖父や祖母の気持ちが
分かるようになってきた。

もしかしたら、母は私を疎ましく思った時があったかもしれない。
でも、人って、そんなもんだ。
子供だって、親を好きになったり、嫌いになったりする。
ともかく、母は私を生んで、育ててくれた。
このことに感謝できないようでは、
私は生まれてきた甲斐が無い。

母さん、産んで育ててくれて、
本当にありがとう。

祖父と祖母と母と兄弟

後列:左から、祖父と祖母と母。 前列:左から、末弟と次弟と私。 山口県下関市長府の母の実家にて。

読んでくださり、ありがとうございます。
みなさんにもイイ事がイッパイありますように!
\(^∇^)/シャ~ッ(祈)!♪
(祈りの力は実はスゴイ!)

肉体は滅びても、魂は永遠の存在。
我輩、あの世の存在を信じておるので、死ぬことは怖くない。
野垂れ死にも、また一興。
天国は良いところだろうし、地獄に行くことになっても、まぁ、仕方ないし、何とかなるだろう。
問題は、何故、今のこの世に生まれてきたのか?
おそらく、何か、この世で、我輩が為さねばならぬ宿題があるはず。
その宿題をきちんとやり遂げたい。
その宿題をやり終えた時、あの世からのお迎えが来るはず。

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